第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15
だって それは…
到底… 許されてなど
いないのだから…
くしゃ…と杏寿郎の手が
みくりの頭を撫でた
困ったようなそれでいて
微笑にも似たような
そんな顔をしていて
「すまない。みくり。
…泣かせてしまった…な。
俺は……、君を
泣かせたかった訳ではないからな」
許してくれ…とそう告げながらも
私の目から零れ落ちそうになっていた
その雫を自分の唇に移すと
そのまま目尻に口付けを落とされる
「…泣かれる……のは、困る。
君に…泣かれると、余計に…な
困らせすぎる様な事を…、言い過ぎて
しまった……な。許して欲しい」
そう 申し訳なさそうに
言葉を尽くされてしまって…
その彼の言葉に
零れていた涙はそれで止まったが
くすっと杏寿郎が
みくりを見下ろして笑うと
つんっと指先で
みくりの形の整った
ぷっくりとした唇を突っつくと
きゅっとそのまま
その指先を押し付けて来て
唇に圧を掛けられてしまった
その行動が意味する所が分からず
みくりが思案していると
そのまま杏寿郎の指先が
みくりの唇を
指と指の間で挟んでムニムニと
その弾力と感触を楽しんでいる様だった
「………??」
その困惑している表情を
見ていると…
あまり追い詰めすぎて
また 先ほどの様に泣かれてもと
そんな気持ちにもならなくもないが…
「今夜の所は…、これで
見逃してやろう……。みくり。
俺は…心が寛大な男だから……な」
そう言いながら
みくりの唇を先ほどまで
弄んでいた自分の指先に
ちゅっと音を立てて
自分の唇を寄せると
そのまま スッと立ち上がり
庵の入口に立つと
その戸口に手を掛けたままで
顔をこちらに向けて振り返ると
「おやすみ。…みくり。
今夜はゆっくり、休むといい。
……みくり。良い夢を…。
では、俺は自分の部屋に戻るとしよう。
また…、明日の夜に来る」
そう言い残して杏寿郎は
そのまま 何も無かったかの様にして
去って行ってしまった……
第2夜 新しい日常
ー 終 ー