第12章 Hi!
ー穂波sideー
宮城のおばあちゃん家まで研磨くんと車中泊ドライブをした時に、
白布くんにも会えた。
2人とも初対面だけど普通に話してて。
それが微笑ましくて、嬉しくて、だから、参加したくないっていうか。
わたしはわたしの流れを継続しようって、
お昼ご飯の用意を続けた。
しらす丼にでもしたいとこだけど、時期的にも良いのがなかったから…
海鮮丼(マグロ、鯛、甘エビ、茹でダコ。茗荷や大葉や小ネギに胡麻の薬味たっぷりで)、
モロヘイヤのお吸い物、産直で買った茗荷の甘酢漬けと茄子の浅漬け。
だから研磨くんと白布くんが話してる間、ほとんどまぁ、何もしてなかった。
ご飯を炊いてる間にお出汁を取って、モロヘイヤや薬味を切って、
お皿の用意して、ご飯が炊けたらすし酢を混ぜて冷まして。
盗み聞きするでもなく、たまに自分の出す音と頭に巡る思考が途切れた時、
ふと2人の会話が耳に入って来たりして。
最初の頃は浸透圧とか話してた。
浸透圧の話は大好きで、中学生の頃生物だったかな、何かの授業で知って舞い上がる心地がした。
何がどう好きかって説明ができないんだけど、
薄い方から濃い方へ、濃度を一定に保とうとする働きってなんだか、すごい。
わたしはわたし、おれはおれだからこそ、
与えれるし、受け入れられる、みたいな。
よくわかんないけどそういう… 平和でそして個々が個々として存在する感じを想像したんだ。
決して薄い方は染め上げようとしてるんじゃない。
濃い方だってそれを拒まない。
…わかんないけど、とにかく妙に好きな分野だから、
そのワードが聞こえたときは聞かない様に、話に割り込まない様にすることに神経を注いだ。
そのあとは、大学の話や仕事の話、
ここに来る前に寄ったところの話とかをしてるみたいだった。
2人とも聡明で、落ち着いてて、
いい意味で無駄がないから、きっとピタッときたらピタッと来るだろうなって思ってた。
逆に合わないってなったらそれはそれですごそうだな、とも。
どうも、結構しっくり来たみたいで、嬉しいなって。
気付いたらそんな幸せな気持ちいっぱいでお昼ご飯を作り終えてた。