第11章 ラングラー
ー穂波sideー
そりゃ我慢して入ったら格段に気持ちいいけど… 別にもう十分我慢したとも言えるし…
「え、穂波ちゃん我慢できんの? 欲しがるなぁ〜」
『我慢、する』
それから注意するポイントとか、サーファー同士のこととか、
このビーチのカラーみたいなの伝えて。
あとは、普通に波が割れてるとこ、だとか。波の見方みたいなのもざっくり。
ざっくりなのは単純に、今日はあそこにはいかないから。
今日は波が崩れた後の、白い波のあるスポット、
スープと呼ばれるとこで練習、かなって思ってる。
なんだ…って思う人も多いと思うんだけど、これがまた。
それだけでも、気持ちいいんだ。
波を、海を感じて。
自分のちょうどいいポイントと体重の掛け方をさぐる。
それってまるで、それってまるで。
…そんな気持ち良さが、あるんだから。
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『じゃあまず、イメトレと準備体操も兼ねて、ここでやろうね』
「おーなんか、一気にスクール感」
『んふ、やめて、そんな大層なこと教えれないから』
パドリングして、こうやって乗るんだよ〜ってして。
それから研磨くんの水着姿にむはぁってして。
あくまでも砂の上でやるのはどんなに身体を動かしてもイメトレだから、
ある程度やったら海に入って波を見て、いいタイミングで地面… 海底を蹴って飛び乗るのをする。
腹這いになって、とりあえず波に押される感じを、そのスピード感を体感する。
何度も何度も。 身体が覚えるまで、何度も何度も。
パドリングをしなくてもスピードを出さなくても押される感じがわかる、場所がある。
サーフボードの上のポジショニングっていうか。
テイクオフしなくたって、その、波に押されるその感覚を味わうだけで、
かなり、かなり気持ちいいんだ。