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どうか笑って。【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】

第4章 日曜日の夜の過ごし方


お風呂に浸かってぼうっとしていると、ふと風呂場の外に煉獄の気配がした。

「中彩、俺は働く。」

「はい???」

芯のしっかりした物言いに、どうしてまた???と心がざわついた。あまりにも突然の申し出に頭が追いつかない。

「中彩だけが働き、俺が日中何もせず過ごすのはあまりにも道理にあっていない。」

「ですから、そんなこと気にしなくていい…」

「気にする。否、もう我慢ならんのだ。」

淡々と話す煉獄さん。なるほど、この一週間で煉獄さんなりに1人で色々と考えていたのかもしれない。

「で、でも煉獄さんが外で働くのはきっと大変だと思うので」

この一週間は煉獄さんが身の回りのものを使いこなせるように教えるのに精一杯だったから、戸籍もなんの手続きもできてないし、身分証も作れてないし…冷静な煉獄さんと裏腹に私は自分でもわかるくらいしどろもどろになっていた。

「この世界に剣道の道場というものがあると知った。先日申し込み、明日から来るようにと言われた」

「ええ!?!?」

ザバッと風呂を出て風呂場のドアを開ける。思ったよりも既に進んでいる現実的な話に私は飛び出さずにはいられなかった。

相手は私の姿を見て、一瞬目を丸くしたあと、サッと後ろを向いた。私も大胆にも飛び出して行ってしまったことに遅れながら羞恥心が押し寄せ風呂場に戻り、ドアを声が通る程度に細くする。私、今絶対顔赤い。

「勝手かもしれないが、分かって欲しい。あまつさえ君の家に留まり、食事を作らせ、身の回りの支度をさせるだけでは、」

背中合わせに煉獄さんとドア越しに話す。煉獄さんはあくまで淡々としていて、私を諭すように優しい口調だった。

「で、でも、」

「分かって欲しい」

「どうして事前に私に相談してくれなかったんですか…」

「…すまない。中彩に負担をかけたくなかった。」

煉獄さんはこの世界で生きていこうとしている。とても強い人だ。分からない世界、まだ甘えていてもいいのに…少しの寂しさを感じながらも、彼の決意を無下にしてしまっては、きっと息苦しいだろう。

「わ、分かりました。その代わり!絶対に危ないことはしないでください!変な人について行ったりもしないでください!」

私の言葉に「問題ない!」と笑った後、煉獄さんは小さな声で「君にとって、俺は幼子なのか?」と呟いた。

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