• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第4章 序の口





バターの香りと、ほのかに感じる小麦の甘さ。

サクサク、ふわっとちょうどよい焼き加減は

悔しいが、自分で焼いたものより美味しかった。



「…ふふっ」



目の前にいる沖矢が笑い出す。


「何か?」

「いやぁ、貴女は表情が豊かで

見ていて飽きないなと思いまして…」


(…なんか、やな感じ)



優しいかと思ったら意地悪だったり

からかってきたり

そよ香は沖矢という人物がよく分からなかった。



「食べ終わったら薬を忘れずに。

食器はそのままで構いません」


一足先に食事を終えた沖矢は

自分の食器をさげにキッチンへと消える。


水の入ったグラスの横に

錠剤と粉薬が置いてあった。



(今日こそちゃんと聞くんだ)



そよ香は気合を入れて薬を飲みこんだ。




*


*


*


「そよ香さん、薬飲みましたか?」


沖矢がマグカップを片手にリビングへ戻る。


「おや」


ブランケットにくるまって

寝息を立てるそよ香の姿がそこにあった。



(ある程度静かにしていてもらわないと

こっちの仕事ができんからな…)


沖矢はそよ香を抱き上げ

ベットのあるゲストルームまで運ぶ。


/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp