第17章 看病
ふと、が肩に置いてあった手を取り、まじまじと見始めた。
「嫌だったか?」
「ううん。全然。暖かくて気持ちよかった。」
そう言うと、はまた無口になり、杏寿郎のと手の大きさを比べたり、裏返したり、指をからませたりして眺めている。
(子供のようだな。)杏寿郎は微笑ましく見ていたが、急に悪戯したくなり、急にその手をぱっと動かしての目元を隠し、「わはは。もう見せない!」と言ってみた。
「きゃー。ごめん、ごめん。」は笑いながら、目隠しされた手を取り、ちらりと杏寿郎を見た。目が合ってお互い「ふふっ」と笑うと、はまた視線を杏寿郎の手に移した。
「杏寿郎の手、大きくて指が長くて、きれいで、あったかい。私、この手、大好き。」
言い終わると手の甲にちゅっと口づけをした。
杏寿郎は恥ずかしくなり、その掴まれた手を今度は自分の目の前に持ってきた。
「だって、小さくて可愛らしい手だ。爪なんて桜貝みたいだ。俺もこの手が好きだ。」
と同じ様に言い、手の甲に口づけをした。そしてまたぎゅっと手を握った。
「さぁ。少し寝るんだ。宇髄の様子はここから見ておくから。」
の頭を優しくなでると、は目を閉じ、すぐに寝息を立て始めた。
杏寿郎は書物に目を通しながら、の寝顔を眺めたり、宇髄の様子を見て過ごした。
一刻程経つとがむくりと起き上がった。
「ありがとう杏寿郎。よく眠った。」
「杏寿郎も寝る?私が今度は膝枕しよっか?」
「膝枕は遠慮しておこう。の胸がおでこに当たりそうだ。落ち着くどころか興奮してしまうな。」
わはははと笑いながら言った。
「・・・起きてるんだろ?宇髄。」
部屋で寝ている天元に声を掛けた。
「さっきからな。起き上がりにくい雰囲気出すなよ、こっちは熱で寝てるってーのによ。・・あ、俺がかわりに膝枕してもらおうかな。」
「それだけ元気なら自分の屋敷で奥方にしてもらうんだな。」
「いやー煉獄。俺、今かなりの熱よ?体が全然動かねぇし。」
杏寿郎と天元がギャーギャー言っているうちに、は食事の用意をする。