第44章 決戦のアッチェーソ【呪術廻戦0】
――「僕、真希さんみたいになりたい」
――「僕に手伝えることがあったら何でも言ってよ。禪院家 ぶっ壊そー! なんて」
後ろ手で教室の扉を閉め、真希はグッと唇を噛んだ。
「馬鹿か、あたしは。認められた気になってんじゃねぇよ……」
胸に込み上げてくるものを押し殺し、自分に言い聞かせる。
不意に、外が暗くなっていく様子に、真希は廊下の窓に飛びついた。
「新宿と京都じゃなかったのか⁉︎ まさか、高専に乗り込んできたのかよ!」
ヤツらの狙いは乙骨だ。そして、高専の術師は全員 駆り出されている。まともに戦える者はいない。
落ちこぼれ上等!
憂太は絶対に殺(や)らせねぇ‼︎
真希は身を翻し、単身 正門へと向かった。
そこにいたのは、僧侶姿の男――夏油 傑。
夏油はあからさまに不愉快そうな顔で首をコキコキと鳴らす。
「君がいたのか」
「いちゃ悪いかよ」
まさか、親玉が一人で乗り込んでくるとは思っていなかった。
だが、相手が誰であろうとやることは変わらない。
「テメェこそ、なんでここにいる?」
「悪いが、猿と話す時間はない」
夏油が昆虫型の呪霊を呼び出す。真希は呪具である槍を構え、その切っ先を呪霊に向けた。
* * *