第17章 愛月撤灯
思った通りのことを気にしている。
俺のせいで昼メシは飛んだ。
晩メシだけは何とか作りたいと
思っている事だろう。
でも、休みたいに決まってる。
今にも眠ってしまいそうなのが
何よりの証拠。
「無理させたよな。
1時間したら起こしてやるよ」
「絶対に起こしてね…?
起きるまで起こして…」
こんな、情事の後は
起きられないのを自覚しているらしい。
起きるまで、か。
「わかったよ。…もし起きなかったら
襲ってやるからな」
「……ばか…」
薄く笑って、睦はスゥ、と
寝息を立て始めた。
眠る前に言った俺の言葉の効果なのか、
睦はぱっちりばっちり、目を覚ました。
一度声をかけただけで、
それは見事な目覚めだった。
ただ…
「うぅ…だるいよ…」
身体を起こした所で睦が呻いた。
「あー…悪ィ…。えー…運んでやろうか?」
この状況のせいで睦は泣いた事がある。
故に俺も慎重にならざるを得ない。
…のだが、
「えぇ?いいよそんなの。大丈夫」
にこっと笑い、ゆっくり立ち上がって
乱れた着衣と髪を直し始めた。
俺は寝そべったまま
その姿をじっと見上げる。
「……なぁ」
襟元を直していた睦は
「はい」
くるりとこちらを向いた。
「睦、綺麗だな…」
俺と乱れて、それを元通りにしていくその過程が
何とも言えず色っぽくて目を奪われていた。
「…何、言ってるの」
照れて横を向く睦が愛おしい。
さっきまで俺に組み敷かれて
善がって啼いていたのかと思うとたまらなくて…。
勢いをつけて起き上がり、立て膝のまま
睦の腰に腕を回して抱きついた。
少し上体を反らして驚く睦。
見上げると、やけに澄んだ瞳が
こちらを見下ろしていた。
「睦、大好きだ」
甘えるように頬を寄せ
睦の胸元に寄り添った。
そんな俺の頭を優しく抱き、撫でてくれる。
「私も、だいすき」
「睦…」
名を呼んで、睦の顔を覗き込んだ。
「…睦、ずっと、こうしてような。
一緒に、いような」