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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.






斬れない。

刀が、入っていかない。

唸ろうが叫ぼうが、
ヤツの首に充てがったまま
日輪刀はびくともしなかった。



ここまで来て…



目の前には
にっくき仇。

まるで差し出されたかのように
都合よく首があって、

後はこの日輪刀を……


「ぐ…っあぁああぁ!」

力を入れる度に、
身体から溢れる鮮血。

こんなもの、失くなってもいい。
私なんか失くなってもいいの。

ただ、こいつの事も連れて行く。
絶対に…!


でも、そんな思いだけが空回り。
私は自分の無力さと、
あの日
音柱様に言われた言葉を思い出していた。


『とっとと郷へ帰んな』


あぁ、…悔しいことに、
私はまだ、仔猫のままだったのか……


刀を握る手から、
力が抜けそうになって来た。
これを手放したら、私は終わりだ。


いやだ…いやだいやだいやだ!


気力で、握り直そうとしたその時、


「だからとっとと帰れって言ったんだ」


私の手の上から大きな手が重ねられた。
共に柄を握り込んでくれて
グッと力を添えてくれる。

「…っ…く、…ふ、ぅ…」

「集中しろ!こいつを、斬るんだろう!」

大きな声が私を奮起させようとしていた。
声の主は、間違いなく…音柱様。

もう視界はきかない。
耳も塞がれたよう。
それでも聴こえてくるこの大声は…。

「しっかりしろ櫻井睦!
いいのか俺がやっちまうぞ!
ちゃんとお前の手で、討て‼︎」


くそぅ…
出来るものなら、もうしてるんだよ!
いつもいつも好き勝手言いやがって!


頭痛はひどいし眩暈で吐きそうだし、
身体は震えて、
焼かれたように熱い傷口からは
あり得ない量の出血があるのだ。

だけど、
言われっぱなしは具合が悪い。

仔猫の私にだって
誇りくらいあるのだ。

「うぅっううゔぐぅ…‼︎」

渾身の力を込めるも、
全身を背中側にいる
音柱様に預け切った状態の私に、
鬼の硬い皮膚を打ち通す事など出来るはずもなく

これはもう半分以上が、
音柱様の力だったに違いなかった。

なのに、
鬼の首を落とし切った瞬間、

「よくやった」

そんなお褒めの言葉を頂いたような気がした。


もういいよ


そう言われたような気もしていた




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