第8章 続
「…宇髄さんがそうしていないものを、
私がどうにかする権限はありません。
恋でなくとも、愛はあるでしょう?」
私が言うと、3人は驚いたように私を見た。
…あれ?
また、おかしな事言ったかな…
「えぇと…ごめんなさい。
何か変なこと言いましたかね…?」
報告と挨拶を済ませ、俺は家路を急いだ。
睦が眠ったままで、
あいつらと対面してねぇといいなぁ。
この期に及んでまだそんな事を思う。
俺、何から話そうか…。
情けねぇ男だな、カッコつかねぇ。
しっかりしろよ俺。
しかし、
屋敷に戻った俺は唖然とした。
自室の縁側で、
4人が仲睦まじく戯れているからだ。
まきをは睦の髪を梳かし、
雛鶴は化粧を施している。
須磨は何故か、紅や黄色の葉を集めては
睦に嬉しそうに見せていた。
睦はと言えば、
大人しく3人の真ん中にいて、
楽しそうに微笑んでいる。
…睦、笑ってんのかお前…。
…あれ?
俺こそ居場所がねぇくらい仲良しなんじゃね?
そんな事を思っていると、
3人が俺に気づいたようで、
睦から離れて地面に膝をつく。
睦はそれを見て、ただ驚いていた。
「お帰りなさいませ天元様」
「あぁ…何、仲良し?」
呆然と言うと、
「はい、とっても!
私たちから伝える事はお伝え致しました。
後はお2人のご判断で…」
え?何言ったの?
何言ったらそんなに仲良くなれんだこの短時間で。
「私たちは夕餉の準備をして参ります」
そう言うと睦ににっこりと微笑んでから
連れ立って台所へと向かっていった。
残された俺は、
同じように取り残された睦を見やる。
目が合った途端に俯かれた。
俺は睦の隣に、少し離れて座ってみる。
「…睦…体の具合はどうだ」
「…え?体?」
…
「…ん?」
俺が隣を見下ろすと、睦も俺を見上げていた。
ひどく、不思議そうに。
「……」
「……」
睦は色々思考を巡らし、
記憶の糸を手繰っているようだ。
それもそうか…朦朧としていたから…。
しかし睦は、早、たどり着いたのか、
みるみる顔を真っ赤に染めていく。