第8章 続
でも、さっきの甘い声と流れる涙は…
俺は試しに、睦の腕に触れてみる。
「あ…っ」
…頭に手を軽く乗せても、
「や…っ」
…別に何の気なしに、
ぺたっと触れるだけで、
喘ぎにも似たあの声…
こいつは…
「睦お前…一服盛られたな」
媚薬の類、しかも随分と強力な。
何ちゅう悪どい商売だこんちくしょう。
おかげでこっちの我慢がききそうにねぇや。
俺は睦のうなじに
わざと直接触れ引き寄せると深く口づける。
戸惑っていた睦も、
薬のせいなのか、すぐに応えてくれた。
抵抗もせず気持ちよさそうにする睦が可愛い。
俺は自分の罪も忘れて、睦を貪っていく。
全てを俺に委ねている事に喜びを感じて…。
口づけたまま脱力している睦を
そこに押し倒すと、
改めてはだけさせた襟元から覗く肩口に噛み付き、
「んぁっ!」
ひどくした跡を優しく舐め上げた。
びくりと反応するのが嬉しくて、
首の付け根に顔を埋め、くすぐるように愛撫をした。
「…っやぁ…あぁ…やぁっ…」
気持ちよさそうに喘ぐのに、
拒絶の言葉を吐きながら泣く睦を見て
心配になる。
…やっぱり嫌だろうか、俺じゃぁ…。
そんな俺の胸の内を見透かしたように
「こん、なとこじゃ…や…」
と、こぼした。
俺が嫌なんじゃねぇ事は安心したが、
心配は別の所に移動した。
だってこいつ、こんなにつらそうだ。
「お前こんなに涙流して…つらいだろ?」
親指の腹で涙を拭ってやり、
頭をそっと撫でる。
それだけでも身体を跳ねさせてるくせに、
それでも睦は首を横に振った。
場所なんて関係ねぇ。
お前をよくしてやる事が先だ。
俺は再び睦の唇を塞ぎ、
身体中をまさぐる。
「…っ宇髄、さん…やだっ…」
力の入らねぇ体を、
俺から何とか逃そうとしている。
…そんなにか。
今すぐにでも熱を治めてぇだろうに、
そこまで逃げるワケが俺にはわからなかった。
「…我慢、できんのか?」
「…う…ん」
「今すぐ、楽になりてぇだろ」
そう訊くと、迷ったように、
「ん…」
と、声をもらす。
ホラ見ろ、耐性もねぇ睦が
我慢できるモンじゃねぇ。