第8章 回想
夢主side
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トリッシュにその話を聞いた日から、私はどうしてもあの人に会いたくなってしまった。
そしてこっそり…屋敷を抜け出すことにした。
ジョルノが何やら一階で書類の仕事をしてる時に裏の扉から何とか抜け出せた。
ほんの一目でいい
一目でいいからあの人…リゾットさんに会いたかった。
パッショーネの人達から断片的に話しを聞き回って、暗殺チームのアジトの場所は分かった。
ただ…一目見るだけ…それだけだ。
郊外の裏路地、人気の少ない場所だった。
『あそこかな…』
暗殺チームのアジトを物陰から見ていた時だった。
__ガチャ
『あ…』
運命だろうか。
本当にタイミングよく、あの人が仲間の何人かとアジトから出てきた。
あの人…リゾットさんを見た瞬間、心臓がギュッとなった。
ドキドキして堪らなかった。
そして漸く自分の気持ちに気付いた。
そっか…私、
あの人に一目惚れしてる。
もう好きになってしまっている。
言葉を交わしたかった。
あの時はありがとうございます.そう言いたかった。
『………。』
ふと、左手の薬指の指輪を見る。
『(はぁ……何考えてるんだろ。)』
私はその場をそっと後にした。
それから暫く、長い距離をあてもなく歩いていた。
ずっと胸がドキドキしていた。
この気持ちを閉じ込めたまま、ジョルノと結婚していいのか…分からなくなった。
「夢主」
突然、背後から肩を掴まれる。
誰かは、すぐに分かった
…この声は…
『ジョルノ…』
「家に戻ったら、話しがあります」
・
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どうやら私は気付いていなかったけど、この婚約指輪がジョルノのゴールドエクスペリエンスで作られたものだったらしい。
私がいなくなったのに気付いたジョルノはそれを発信機代わりにして私の居場所を突き止めたんだ。
部屋に連れ戻され、不機嫌そうな表情で座るジョルノを目の前に何も言えず俯く。
「どこに行ってたんですか。」
『街を歩きたくて…』
ダンッ__!!!
ジョルノが机を叩く。ここまで怒っているジョルノは初めて見た。
「駄目だと何度も言ってるのに、何故分からないんだ!今日からは僕の元を片時も離れさせない…ずっとだ。」
『ジョルノ…』