第78章 家族の形$ 其の二
普段の彼女なら覗きに近しい様な行儀の悪いことはしない。
けれども今回は例外だ。
好奇心とは違うけれど、要は真意を確かめるための手段としてここに居るのだ。
何処かしら?
何だかそわそわとして落ち着かない心持ちになるアオイである。
え?
しのぶが火男面を外した鋼鐵塚と口吸いをしていた。
あまりにも衝撃的な場面でアオイは思わずお盆のお茶を取りこぼしそうになった。
鋼鐵塚の素顔を見たのも初めてだが、それ以前に、しのぶが異性と抱き合うような光景が信じられなかった。
これは……
ひょっとしたら、ひょっとするのだろうか?
恋人同士になるにはまだ早いかもしれない。
けれどもしのぶの柔らかな表情を見るに、これでも良いかとアオイは納得する。