第77章 華ぞ咲く$
やらなければならないといつもどこかで張り詰めていて……
屋敷でも柱の任務でも、早く早くといつもどこかで思っていて……
私が早く動ければ、助けられた。
そう、思えば思うほど、その気持ちは強くなっていった。
「なんか分かんねぇけどよ。たまにはこうして甘いもんでも食いながら、ゆっくりすりゃあ良いんじゃねぇの?」
鋼鐵塚に皿に残った最後のみたらし団子を差し出される。
「残りもんには福があるって言うしな。鬼も居なくなった今くらい、お前さん達も笑えばいいって俺は思うぜ?」
「………ありがとう、ございます///」
最後の一串を頬張りながら、しのぶはほんの少しだけ口角を上げた。
単に美味しいだけでなく、鋼鐵塚の言葉に、少しだけ救われた気がしたからだ。
笑ってもいいと。
しのぶは内心ではいつも怒っていて。
姉さんが居なくなってからはずっと……
笑う事など許されないと思っていた。
『姉さんは、しのぶの笑った顔が好きよ』
久しぶりに姉の声が聞こえた気がした。