第57章 宴
「はい、構いませんよ。あなたに怪我をされたら、また大事になりますから。」
そう言って鯰尾は意地悪く笑う。
勝つ気でいるようだ。
だが、剣を封じられたのは僥倖だった、とレンは内心ほくそ笑む。
「レン!ちょっと。ちょっと来て!」
加州が話に割って入ってレンの手を引き広間から出ると、レンの刀剣達もそれに続いた。
加州は広間の隣の空き部屋を開けて中に入るとレンに向き直る。
「ちょっと何してんだよ…!?何であんな約束しちゃったのさ…!」
加州は声量を落としながら、レンを責め立てた。
「何でって…。手っ取り早いから?」
「まさか適当な思いつきで言ったんじゃないよね…!?」
のらりくらりと答えるレンに、加州は苛立ちながら詰め寄った。
「勝算はあるのかい?」
「勝算は…、どうでしょう?見たところ単純な力の差は向こうが上だと思います。」
心配そうに尋ねる燭台切に、レンは気負いなく正直に答えた。
すると彼等は一斉に脱力して、ため息をついたり頭を抱えたりしはじめる。
「何でまたそんな無茶な賭けを持ちかけたんだ?」
薬研は頭を抱えながらげんなりする。
実力差があると分かってるのに勝負を持ちかけるなんて気がしれない。