第102章 ŹOOĻ!ŹOOĻ!ŹOOĻ!
『すみません。もし体が辛くないようなら、少しお話を聞かせてもらっても?』
「いいよ。平気」
私は、事故当時の詳細を話聞かせてもらう。
現場へと車で向かっていた時のこと。いつも使っている道を走行中。タイヤがパンクしたらしい。運転手兼、付き人の男がすぐに確認の為 外に出る。それに続いて、天も様子を見ようと外に出た瞬間だ。勢い良く、乗用車が天に向かって突っ込んで来た。
「多分だけど、最初からボクがターゲットになっていたんだと思う。車のパンクも、そいつらの仕業だろうね」
『そう考えるのが自然ですよね。用意周到で、故意的な臭いがします。車のナンバーは?』
「逃げていく時に確かめたけど、黒塗りされてて分からなかった」
『…ますます、犯罪臭いです』
付き人は現在、八乙女プロや出演予定番組のプロデューサーなどと、電話をしているらしい。おそらく入院は数日で済むだろう。それでも、かなりの仕事に穴を開けることは予想される。そのスケジュール調整に追われているのだろう。しばらくここには戻って来られないかもしれない。
「…各方面に、たくさん迷惑をかけてしまう。今更後悔しても遅いけど、もっと気を付けておくべきだったよ。ファンの子達にも心配させちゃうなんて。自分が情けない」
『天のせいじゃありませんよ。
私が…もっと、了と上手く付き合えてれば、天に怪我をさせることはなかったと思います』
「キミは、これが月雲了の仕業だと予想するの?」
『天は、個人的に誰かから恨みを買った記憶はありますか?』
「ないよ」
『でしたら…十中八九、そう考えます。証拠はないですから、断定は出来ませんが』
どうして、了はこんなことをこのタイミングで仕掛けて来たのか。ここまで強引な手段に出るとは思っていなかったので、正直 信じられない。
私は自分で思っていたよりも、彼の機嫌を損ねていたのだろう。
『天、貴方がこんな犯罪まがいなことに巻き込まれてしまったのは、私のせ』
「謝らないで。ボクは、キミが離れた場所で懸命に戦っているのを知ってる。だから、謝って欲しくない」
天の言葉が、胸にゆっくり染み込んでいく。
私はゆっくりと頷いた。