第91章 相変わらずの強欲っぷりだな
「こんにちはー!こけら落としライブ、おめでとうございます!!」
元気良く楽屋へ入室したのは、陸である。その後ろから、IDOLiSH7メンバーが続々と続く。
「…お前ら、来てくれたんだな」
「ありがとう…皆んなの顔見ると、なんだか癒されるよ」
ぐったりとした様子の楽と龍之介。壮五とナギが心配そうに、2人へ歩み寄る。
「どうされたのです?まだライブはスタートしていませんが。今からその調子で、大丈夫です?」
「あっ!まさか僕達が、リハーサルが終わってすぐのタイミングでご挨拶に出向いてしまったからでしょうか?間が悪くてすみません!」
「ううん。そういうわけじゃないから気にしないで。ほら楽、龍。彼らに情け無い姿を晒さないでシャキッとして」
天に言われ、表情を引き締めて背筋を伸ばす2人。
彼らが疲弊しているのには、もちろん理由がある。それは、全力でツクモの罠対策を行ったからだろう。
リハの前には、全員でステージのチェックを行った。もし万が一、頭上から照明が落ちて来ては大惨事だから。
差し入れを含め、あちら側が用意した物には警戒を怠らない。もし万が一、薬物でも混入していては大惨事だから。
様々なトラブルへの対策を練りに練った。もし万が一、照明や音楽が今日の途中で途絶えてしまえば大惨事だから。
というふうに、普段は気を遣わなくても良いところまで気遣わなくてはいけない。その慣れない環境が、彼らを疲れさせてしまったのだ。