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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第85章 かっけぇわ




龍之介は、こんなにも長い時間どこに消えてしまったのだろうか。この場では1分ですら惜しいというのに。
家に帰ったら、懲らしめてやる。

なんて思いつつも、私は定めた優先順位通りに挨拶をこなしていた。
天と楽にも、その各々に必ず声を掛けて欲しい人物を伝えてある。彼らもまた私と同様に、任務を着実に遂行してくれていた。


『……』
(よし。次に顔を覚えてもらいたいのは…)


私は目的の人物を探す為、会場内に視線を這わせる。

目当ての人を見つけるのに、そう時間はかからなかった。しかし残念ながら、彼は既に誰かと歓談中だ。また時間を置いてから…と、諦め掛けたその時だった。

その男との歓談相手が、私のよく知る人物である事に気が付いたのだ。
あのチャーミングな後ろ頭は、間違いない。百だ。そうなったら話は早い。百に、私の事を紹介してもらおう。

私は百の顔が見えるように、位置を変え2人に近付いていく。次第にその声を捉えることの出来る距離まで来た。何やら非常に盛り上がっており楽しそうである。
この雰囲気なら、難無く私も混ぜてもらえるだろう。

そして、百がこちらに気付いた。
しかし…この表情は、どうしたことだろう。私を視界に入れた途端、明らかに彼の顔は強張った。

今はまた、笑顔で会話に興じているが。
私の見間違えではない。さっきの百の顔はまるで、私に “ こっちに来てはいけない ”

そう、言っているみたいだった。

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