第100章 仮面の男と新たな仲間
「エース!水琴!ちょっと来てくれ!」
物思いにふける水琴の耳にデュースの呼ぶ声が届き下へ視線をやる。
どうやら無事に下りてきたらしい。船縁の方から聞こえるデュースの声を目指し水琴は空を舞った。
「どうしたの?」
「これ見てみろ」
船縁には大きな穴が開いていた。座礁した時に開いたのだろう。大人が優に三人は潜れるその穴は骨組みだけでなく船内まで達し胎の中をさらけ出していた。
そこから零れる黄金の光に水琴は目を見開く。
「これ、金貨……?!」
「この島には昔からすっげぇ財宝があるって言われてたが……本当だったんだな」
噂の一人歩きとばかり思っていたが、と呟くデュースもどこか夢見心地といった様子だ。
どちらかともなく顔を見合わせる。それぞれの視線が語る内容に相違がないことを確認すると、二人は同時に動き出した。
「とりあえずこの袋に詰めていくか」
「あまりたくさん詰めすぎると重すぎて運べないから小分けにしとくね」
先立つものはお金である。
脱出の目途が立ちそうな今、路銀は多いに越したことはない。
手際よく袋に分けていると、ふとデュースが顔を上げた。
「そういえばエースはどうした?」
「船内見てくれてる。あ、そうだデュース」
さっき帆を見てたんだけどね、と水琴は思い出したあることを口にする。