第41章 隠し事
「私が…その、美大出身なんですけど、公園でデッサンしてたらたまたまそこにいた炭治郎くんと…話すようになって、大学を卒業してからは、会わなかったんですけど、ついこの前雨の日に再会しまして…!!」
私が必死に説明しても、彼のお母さんは信じてはいないようで、ずっと疑わしそうにしていた。
「か、母さん!!さんは本当にッ友達です!!」
「炭治郎ッ…!!」
彼のお母さんが悲鳴のような声をあげた。炭治郎くんの顔を見て私は頭を抱えた。
…嘘をつくとき、変な顔になることは知っていたけど、そこも変わっていないとは…。
「あの、本当にやましいことはなくて、私は…その、お付き合いしている人がいますし…」
「本当に!!トモダチ!!」
もう君は黙っていてくれ。
「……まぁ…信じます、けど…」
彼の母が言った。
「……炭治郎がここまで嘘をつくこともありませんし…」
「母さん!嘘じゃないから!!」
炭治郎くんをよそに、にこりと微笑んだ。
「こんな美人な方が炭治郎と何かあったのかと思って驚きました。何かしらの事情があるんでしょうけど、息子にも言えないことはありますよね。」
………これ、本当に大丈夫なのか…。
「あの…何にもありません、本当に…」
「はい…あら!ご結婚なさっているんですね!?す、すみませんすみません!変な疑いをかけてしまって…!」
「へッ!?あ、いや!ぷ、プロポーズいただいただけなので…ッ!!!」
私の指輪を見たらしい。そこでようやく信じてもらえたみたいで、安心した。
私は炭治郎くんにまた来るから、と言って、あんパン二つを持って店から出た。