第10章 夏合宿後半戦
「スパイク練っスか! 俺ブロック跳びます!! 」
体育館の入口から、聞き覚えのある元気な声。
『リエーフくん! 』
「舞衣さんここにいたんスねー! 探したんですよ! 」
『え、嘘ごめん! なんかあった!? 足りないものとか? 』
「や、ただ何処かなって! 用はないです! 」
『あ、そうなの? 』
ハツラツと「用がない」と言われるのも、少し複雑だけど。
まあリエーフくんだし、特に他意はなんだろう。
「リエーフ、おまえレシーブ練は? 」
「夜久さん見当たらなかったんで! 休みです! 」
『ええ...。』
やっくんにレシーブをどやされてるリエーフくんの姿は、音駒恒例の光景だ。
「休みなわけあるかよ。レシーブ練が先だ。 」
「ええええ!! でも俺、ブロック跳びたいです!!」
「うるせえ! 音駒でバレーしてえならレシーブ! 」
「でも夜久さんいないっすよ! 」
「俺が見てやるからさっさと入れ! そんで構えろ! 」
「黒尾さんのオニ!! 」
ギャイギャイと、リエーフくんのレシーブ練が始まって。
木兎くんのスパイク練は...
「だぁめだー、ブロックいねーのにスパイク打っても練習になんねーよ! 」
数本打ってはみたものの。
やっぱりそうだよね。
「つっても俺はこいつのレシーブ見なきゃだしなぁ...。」
「舞衣、ブロックできる!? 」
『私!? 』
「いや、流石に無茶でしょう...。」
「無茶だな。」
『無茶です...。』
「木兎さんのスパイク、女子が触ったら腕折れますよ。」
「それは困る!! 」
「はい。困ります。」
うーん...どうしたものか...。
誰かいればいいんだけど...
『あ、』
「ん? 」
『ねぇ、あの外歩いてるの、烏野の月島くんじゃない? 』
長身メガネ。月島くん。
「月島? 」
『ほら、MBの。』
「...あー! 」
黒尾くんも、頭の中で何かが一致したらしい。
「おーい! そこの! メガネの! 」なんて声をかける。