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あかいいと。【ハンジ・ゾエ/進撃の巨人】

第9章 あなたとりんね 【転生現パロ】


自販機からガコッと小気味いい音が響く。



「さ、あと少し頑張ろうかな」



キンと冷えた缶を手に取り、私は退屈な巣へ踵を返す。
すると前方から、二つの人影がこちらへ向かってくるのが見えた。



「…え」



、だ。
私は思わず足を止める。誰かと笑い合っている。
隣を認識した途端、鈍器で殴られたようなショックに見舞われた。


いや、落ち着け。
ここは学内だ。たまたま異性と行き会うくらいあるだろう。
背の高い、いかにも爽やかな好青年という風貌にちらりと目を向ける。なんだ。最高につまらなさそうな男じゃないか。



しかしこのまま通り過ぎることができるほど、私は大人ではないようだった。
意思と関係なく流れ出る嫉妬が抑えられない。


記憶がないなら当然だ。
私には関係ない。
当然彼女は、新しい人生を歩んでいく。
無理につらい過去を呼び起こすなんて酷だろう。


それでも、私は自分のエゴで走り出してしまう。
胸の中で何度も彼女の名前を呼んで、息が詰まっては荒く肩を震わせて。




着ている白衣がバタバタと翻る。



今の私はきっととても醜い。
こんな姿を、貴女はどう思うの。



「くそ…っ!」



ねえ、私は身勝手だ。無鉄砲なクソメガネだ。ごめん。



「!」



どうか、私の元にいてくれ。
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