第9章 あなたとりんね 【転生現パロ】
が行ってしまった後、私はざわめきと視線を一身に受けつつため息をついた。
何をやっているんだ。
自分の、すぐ周りが見えなくなる性格とはうまく折り合いをつけてやってきたつもりだったが、こんな形で彼女に迷惑をかけるとは。
もう少しほかになかっただろうか。もっとスマートな感じの。
しかし私は一笑に付した。……そんなこと、できるわけがない。
「ハンジさん!何やってるんですかっ
さっきの騒ぎどういうこと?あれちゃんですよね!?」
元々女子大だったこともあってか、クリーム色を基調にした少々乙女趣味なテーブルに戻ると、顔を真っ赤にしたニファから質問攻めにあった。
当然だ。すべて突然すぎて理解が追い付かない。
私は生返事で状況の整理に努める。
『女性、ですか?』
ああ、何も憶えていないんだ。
わかっていたことだけど。
些細な彼女の言葉を思い出し、ため息を吐く。
でも、それでも出逢えたのだ。
所在が分からない上に、同じ時代に生まれているのかすらわからなかったのに。
切なさより、その奇跡を噛みしめて、私の中の激情が溢れ出す。
「ニファーー!」
私はがばりと白いブラウスに飛びついた。
つやつやしたうすいサテン生地は、存在を明確に感じさせるようで。
「わっ!ちょっともうハンジさん、私の話聞いてくださいよ!」
爛々と輝く金の瞳、好奇心を隠せていない口元、皺になった食券。
ニファは前世より素直に感情を出すようになった。
ふは、とついやわらかな笑みがこぼれる。
まだ先は見えないけど、今はこの喜びに身を委ねてもいいのかもしれない