第87章 *懐刀インパクト*
シルバー『3人ともよく眠れたか?川で顔を洗ってくるといい。すっきりする』
『はぁ〜い..』
ユウ『足元気をつけてね』
今だに寝ぼけ眼のレイラの手を引いてすぐそばの川まで行き、手で掬った水をパシャっと顔を当てた
グリム『ふなっ!川の水がめちゃくちゃ冷てぇんだゾ!ぶるるるっ!』
『ひゃっ..ぁぅぅ』
ユウ『わっ、ほんと冷たいね』
シルバー『雷鳴山脈の湧き水は年中通して冷たい。茨の谷がある大陸は、賢者の島のはるか北にあるからな。冬になれば、山沿いはかなり雪が積もる..夢の中とはいえ、今が冬でなくて助かった』
セベク『そろそろ近衛隊が東へ向け移動を開始するそうだ。さっさと身支度を済ませろ!』
『っ..ゔぅぅ』
ユウ『ああもう、よりによって寝起き一発目から..』
シルバー『声を落とせと言ってるだろ。はぁ..気を引き締めていくぞ、セベク』
セベク『誰に言っている?貴様こそ、間抜けをさらすなよ』
グリム『よぉし、それじゃあ出発するんだゾ!』
野営地を出発した一団の戦闘を歩くリリアは、地図を広げると現在地から目的地までのルートを指で辿っていく
リリア『さて、最短で東の砦を目指すなら、北東の風鳴き渓谷を目指すべきだが..』
バウル『竜尾岳の海沿いの集落周辺でも、"鉄の者"の姿を見かけたという情報もあります。風鳴き渓谷を抜ける前に、翠ヶ原全域を一度見回ってみるべきかもしれません』
リリア『ったく..奴ら、追い払っても追い払っても湧いてきやがるな』
バウル『我ら王宮近衛隊の名にかけて、奴らを全て風鳴き渓谷の向こうへ..いや、珊瑚の海の向こうまで追い払ってやりましょう!!!』
リリア『そう力むな。風鳴き渓谷の西側はまだ妖精の領域。本番は、紅が原に入ってからなんだからな』
バウル『はっ!気を引き締めて参ります』
リリア『まっすぐ北東に向かえば風鳴き渓谷までは半日ってところだが..』
パタンと地図を折りたたみ足を止めると、進行方向から剣を構えた銀の梟たちが行く手を阻むように立ち塞がっていた