第1章 プロローグ
「その代わり私たちは誰一振折れることなく主の元へ帰ってくることを誓うよ」
「はい」
力強い言葉。
信じる、というのも審神者の力を強めるためには必要なのかもしれない。
「手入れ部屋に行くかい?」
「行きます」
着替えも済み、立ち上がった私に石切丸は優しい笑顔を向けてくれた。
「その服はずいぶんと丈が長いんだね。私のと変わらないくらいだ」
石切丸も立ち上がりそう言ってくる。
私は畑仕事以外は基本ロングスカートしか履かない。しかもマキシ丈のものを好む。
「そうですね。まぁ見せれた脚でもないので、一番自分が安心できる格好に落ち着きました」
ショートパンツどころか、スキニーも正直苦手。
だけどここにいればロングスカートは石切丸や清光のように袴姿の男士もいるからあまり違和感がないし。
「うん、かわいい」
「は?」
「私は好きだよ、主のそういう格好」
どうやら褒められたらしい。有り難く受け取っておこう。
「さて行こうか」
石切丸が襖を開けて先に部屋を出た。私も慌ててついて出ると、
「主、大丈夫なの?」
心配そうな顔の清光が部屋の前で待っていた。
「ごめんね、清光。のぼせちゃったみたい」
「わーん、心配したんだからねー」
また私をぎゅうぎゅうと抱き締めてくる。
「加州さん、主は今から手入れ部屋に行くんだよ」
「俺も行く」
朝と同じように後ろから抱き締めたまま清光は私を押し歩き始めた。
「ねぇ石切丸は主にキスしてないよね?」
「寝込みは襲ってないよ」
「本当かな」
疑いながらもそれ以上は聞かない清光。
手入れ部屋に無事つくと、部屋の前には先ほどの4人の名前が書かれた札が下がっていた。
「おーおんし、おったがか」
「むっくん、おかえりなさい」
陸奥守は怪我をしていないのだろうか。
舐めるように見つめていると、
「わしは無傷じゃき安心しい」
豪快な笑顔で頭を撫でてくれた。
「山姥切さんは?」
「…俺も、大丈夫だ。なんともない」
手入れ部屋の前にいる男士たちはまだ戦闘服を着ている。
「とりあえずおんしの顔見て落ち着いたき、ちっくと部屋で寝てくるぜよ」
「そうだな」
そう言って陸奥守と山姥切、そして数人の男士たちは立ち去って行った。
「みんな主の顔が見たかったみたいだねぇ」
石切丸が口元を緩める。