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千分の一話噺

第826章 我が儘天使


秋晴れの昼下がり。

散歩の途中で新しいラーメン屋を見つけた。
看板にはデカデカと豚骨ラーメンの文字が…。

「食べたいけど…、昼飯は食べたばかりだからなぁ
今度、食べに来よう…」 

俺は豚骨ラーメンが大好きだ。
最近はどこでも豚骨ラーメンをやっていて、どこも美味い。

店の前を通り過ぎようとしたら…。
「ちょっと待って!」
誰かに呼び止められた。
周りを見回すが誰もいない。
「…気のせい?
…いや、幻聴か?」
はっきりと聞こえた声の主が見当たらない。
俺は首を傾げながら歩き出した。

「だから!ちょっと待ってよ!」
「誰だ!?」
声のする方に振り向いたが、やはり誰もいなかった。
「…これを受け取って!」
女の子の声だけが響く。

空から金色の何かがヒラヒラと落ちてきた。
ちょっと怪しかったが、手のひらで受けると人形《ひとがた》の折り紙のようだった。
「…何だ?これ?」
「やったぁ~!!」
再び女の子の声がすると目の前にいきなり現れた。
見た目は12~3歳、巫女のような白い着物に赤い袴姿だ。

「うわっ!!だ、誰だ!お前!?」
「私は通りすがりの天使よ」
「はあ!?…天使だと?
冗談はよせ!天使なんているわけないだろ!」
「ひっど~い!ちゃんと目の前いるじゃない!
人間が天使の姿を見れるなんて奇跡に近いのよ!」
「ふざけるな!…天使だって証拠はあるのか!?」
「これでどう?」
女の子は背中から白い羽根を生やし空を飛んだ。

「………な、何だ?こいつ?」
天使かどうかはさておき、人間ではないのは分かった。
「…お、俺をどうする気だ!?」
「…どうもしないわよ
ただ、この『豚骨ラーメン』っていうを食べてみたいの!
私一人じゃお店に入っても見えないし、一緒に入ってくれる人を探してたのよ」
彼女が言うには、金色の折り紙を持っている人が近くにいると姿が見えるらしい。


「美味しい~!!」
(何だ?こいつ?)と心の中で突っ込んだ。


to be continued…


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