第819章 大運動会
昔は秋には必ず運動会があった。
今は9月でも猛暑になるから時期を変える学校も多い。
体育用の紅白帽を裏表で広げてツバの部分を立たせるようにして…。
「ウルトラマン!!」
今時の子供はやらないだろうな。
…っていうか、紅白帽なんて使ってるんだろうか?
20XX年、日本は9月になると『全国紅白大運動会』が開かれていた。
国民全員が紅白帽を被って至るところで運動会が行われている。
もちろん会社も学校も全部休み。
働いているのは運動会を進行する公務員や警察、消防などの緊急時に必要な職種だけだ。
マイナンバーカードを持っている全国民の参加が原則である。
競技参加はマイナンバーカードで管理していて、正当な理由がなく一つも競技に参加の記録がなかった者は、『国家反逆罪』で逮捕される。
競技は陸上競技、各種球技、格闘技、水泳競技などのスポーツ、パソコンで行うeスポーツ、将棋や碁などのテーブルゲームなど多岐に渡る。
中には大食いや早食い、洗濯物の早たたみ、掃除機の早掛けなどの家事競技もある。
自分が出来る競技に参加すればいい。
「今年もやるのか…、逮捕されたくないしな…
ゲーム方面だな…」
テーブルゲームが出来る会場に向かった。
負けの罰則はないが、勝てばポイントが貰える。
1種目1回しか参加出来ないが、何種目も参加し勝ちまくってポイント長者になった者もいる。
「やっぱり混んでるか…」
みんな考えることは同じである。
とにかく一種目やればいいんだから、簡単なゲームに参加者が殺到する。
俺が選んだのは『人間あみだくじ』だ。
地面に書かれたあみだくじを走ってゴールのパネルを突き破るだけの簡単なゲームだ。
勝ち負けはパネルの向こうのお約束。
俺のゴールの先は…。
end