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千分の一話噺

第810章 続・佳奈の憂鬱


うちの田舎のお盆は7月、一般的なお盆休み(夏休み)じゃないから土日に帰る事になる。

「ただいま!」
「お帰り、佳奈!
…あれ?髪切っちゃったんだ」
父さんは私の髪を気に入ってたんだっけ…。
「佳奈姉ちゃん!お土産は?」
「和樹、あの悪魔みたいな人形は私の事?」
逃げ出す和樹を捕まえてお仕置きしてやった。
「姉ちゃん!ぼくもぼくも!」
「双葉!相変わらず可愛いわね」
抱き締めて頬ずりした。
「佳奈、ちょうどかき氷作ったから…
食べたらさっさと荷物片付けなさいよ!」
母さんの宇治金時のかき氷は絶品なのだ。
後で父さんから聞いたけど、私が帰ってくるからって準備してくれたらしい。

かき氷を食べ終えると、母さんに急かされて残した荷物を引っ張り出した。
「えっと…
これとこれは冬に使えるし、これとこれは捨てられないし、これとこれは…」
「あんたねぇ、そんな事言ってたら片付かないじゃない!
一年使わなかったら必要ないのよ!」
半ば強引にほとんどを処分させられた。

「佳奈姉ちゃん、掃除終わったんなら遊園地行こうよ!」
「行こう行こう!」
和樹と双葉にせがまれて地元の遊園地に行く事になった。
正直言うと私はあまり行きたくはなかった。

「佳奈姉ちゃん!こっちこっち!」
「…やっぱり…」
和樹が手を引っ張って連れてきたのは、夏限定でオープンするお化け屋敷だ。
「お化けお化け!」
双葉ははしゃいでいるが私は帰りたいくらいだ。

でも久しぶりに弟達の楽しそうな笑顔を見て、帰って来て良かったと思った。


end


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