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千分の一話噺

第809章 佳奈の憂鬱


「あれ?佳奈のアパートの郵便番号ってなんだっけ?」
私は旦那に聞いた。
「郵便番号?…ちょっと調べるよ」
旦那がスマホで調べてくれた。

佳奈が春に独り暮らしを始めて初めての夏だ。
畑で採れた野菜やスイカ、残していった衣類、浴衣や水着も詰めてやった。
「後、邪魔な物なかったっけ?」
「おいおい、それくらいにしといてやれよ
お盆には帰ってくるんだから…」
「うちは狭いんだから佳奈の荷物は全部送っちゃわないと邪魔でしょ!」
一軒家とはいえ、うちはそんなに大きな家じゃない。
まだ息子が二人いるし、出来るだけ佳奈の荷物は減らしたい。
 
「佳奈姉ちゃんに荷物送るならこれも入れてよ」
「何それ?」
長男の和樹が変な人形を持ってきた。
「工作の時間で作った佳奈姉ちゃんの人形だよ!」
背中に黒い羽根、額に二本の角があるのは目の錯覚だろうか?
「…まあ、良いか
壊れないようにプチプチで包んでね」
「ぼくもぼくも!」
次男の双葉が佳奈を描いた絵を持ってきた。
「…猫耳に尻尾?これ、お姉ちゃん?」
「うん!」
この二人には佳奈は別の生き物に見えているようだ。

荷物を詰め終えて一息吐いた。
「ふぅ…、もうお昼ね」
「お疲れさま、冷やし中華作ったから…」
うちの旦那が料理好きで助かっている。
昼食後、買い物ついでに宅配に出した。


数日後、佳奈の所に荷物が届いた。

「ちょっと母さん!
何よ、これ!?」
『…採れた野菜と可愛い弟からのプレゼントにあんたの荷物よ』
「スクール水着まで送ってこないでよ!」
『…邪魔なら自分で捨てなさい
うちは狭いんだから、あんたの荷物はこれからもどんどん送るからね』

お盆に帰ったら荷物整理をすることになった。


to be continued…

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