ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第35章 ソニの村の人々
ニックが私達を恩人として紹介した後、ムーさんは彼の隣に腰を下ろした
ソニの住民とそっくりの笑顔が眩しい好青年は私達を交互に見ると金のアクセサリーがキラリと光る右手を差し出した
「ソニを観光するなんて中々見る目のあるカップルだ!わたしはムサカ、ムーと呼ばれてる宜しくね。」
……………………まずい……………彼は絶対に握手しない………………
ここは私が代わりに握手すべきだろうか…………いや、私が変に接触する方が刺激してしまうだろうか…………ッ
「あぁ、よろしく。でも今は手が汚れているからごめんね。」
素手での食事で汚れた手を見せながら少し眉を下げた彼の横顔
………………あれ…………………?
故に彼の言葉は紛れもない事実を紡いだ
しかし何故だろう…………何だか彼が普段と違って見えるのは気の所為………?
__________"
私は彼の言葉を思い出していた
私をこの村でひとりにしない
詳細は話せないが目の前で仕事をこなす訳でもないと
端々に感じる違和感
村に到着したその時から彼の様子は少し違っていた
普段なら人を寄せ付けず無愛想を極める彼なのに、歓迎のダンスに拍手を贈った
彼はお育ちが良いしそういう意外な一面を持っていたりもするので、文化的な違いを興味深く思っているのかなと思った
これまでの道中散々ニックの料理や行いに苛立っていた彼が、村に入った途端ニックの大雑把さに苛立ちの欠片も見せなくなった
それはニックがガイドとしてしっかり働いてくれているし、苛立つ範疇じゃないのかなと思えた
彼が苦手そうな……いかにも手作りの食事
主食なんてニニータさんご家族が素手で捏ねている作業も見せてもらった
以前彼の世界で訪れた商店のお弁当には散々難色を示していたのに、今回はあっさりと口にした
もしかしたら家庭的なものが苦手なだけでサバイバル的な雰囲気の強い料理だから平気なのかも……と思えなくもないけれど………
最後にムーさんの握手を断った彼の様子は明らかに普段と違っていた
普段なら凄い圧でキッパリと跳ね除けてしまうのに…………