第7章 トラ男とパン女の攻防戦
トップスの中に潜り込んでいた手が、インナーごと服を捲り上げる。
インナーに頼りきりだった胸の防御力はゼロになり、無防備な膨らみが外気とローの視線に曝される。
「あ……、やだ!」
恥ずかしくなってローを押し退けようとするけれど、筋肉質な体躯はムギの思いどおりに動かず、彼の意思によって項から胸へと移動した。
「んや……、見ないでってば……!」
「は……、無理を言う。第一、お前が言ったんだろう。見えないところにつけろってな。」
「い、言ってない!」
精一杯否定しているのに、話を聞かないローは剥き出しになった胸に唇を寄せ、白い肌をちゅっと吸った。
「ひぁ……ッ」
胸の内側、それも下方を吸われ、唇の温かさと吸いつく刺激でぞわぞわ震えた。
「あ、痕……、つけないで……。」
「ここなら見えねェだろ。それともなんだ? 見せる予定でもあるのか?」
「な、ない、けど……ッ」
誰にも見られないからといって、つけていいものでもない。
だって、ムギが見る。
着替えをする時、お風呂に入る時、赤い鬱血痕を見るたびにいやらしい戯れを思い出しては羞恥に悶える。
「ん、ん、やめ……ッ」
二つ、三つ、キスマークの数が増えていく。
痕を残されるたびにローの執着心が露わになっていくようで、興奮した身体が昂ってくる。
四つ目の痕を残されたあと、柔らかな丘をつぅ……と登った舌先が薄紅色の頂に絡みついた。
「あッ、やぁ……!」
ぱくりと口内に含まれて、ちゅくちゅく甘くもどかしく吸われた。
先ほどまでの、肌に所有印を刻む行為とは明らかに違っていて、押し寄せる快感がムギの声をよりいっそう艶めかしくさせる。
「ん、あぁ……、ひぅ……ッ」
胸への愛撫は下肢の泉に直結して、湧き出る蜜が下着を濡らし、羞恥と切なさで内腿を擦り合わせる。
そんなムギの行動を、ローが見逃すはずがなかった。