• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

リンゴ

第5章 IH前






「は、はじめっまして…くっ…
真太郎、達の…彼女の…ふふっ」

「…さや?どうしたのだよ!?」

「えっ!?なに俺なんかしちゃったの真ちゃん!?」



何かを堪えるように途切れ途切れに話すさや

緑間も高尾も何事だと焦り
おろおろとさやの様子を伺っている



「あーもうだめー!
ふふっ!あははっ!」



さやは体をくの字に曲げ
笑う口を抑えてはいるが一向に収まらない。

ぷるぷると震えながら笑う姿は
緑間でもかなり久しぶりに見る大爆笑だった。



「真ちゃんっ!真太郎がっあははっ真ちゃん!」


ずっと聞こえていないフリをしていた

あの真面目でふざける事を知らない緑間が

チームメイトに真ちゃんなどと呼ばれているのを聞いたら
どうしても笑いが堪えきれなかった。


ヒーヒー言いながら笑うさやは
普段の大人っぽさや近寄り難さは消え、ただの女の子だった。



「…高尾、今日ばかりはお前を褒めてやるのだよ」

「ん!?…おお。
俺全然状況が掴めてないんだけど…。」



普段見ることが出来ないさやの満面の笑みに
それをさせた高尾に嫉妬を抱きつつ

どこか安心するような気持ちになった。




*



「改めまして、彼女の紅林さやです。」


ようやくさやが笑い終わったのは
試合が始まる頃だった。

緑間は試合を見つつさや達の話に耳を傾けている。



「高尾くんの話は真太郎から聞いていたわ
真太郎に構ってくれてありがと」

「いやいやー!とんでもない!
てかギャップすごっ…さっきと全然違うじゃん!」

「あんなに笑ったのは久しぶりよ
もう忘れて。」


ポーカーフェイスで話すさやに
戸惑いをかくせない高尾

綺麗な顔があんなに崩れて笑ったかと思えば
今度は大人の女の顔。



「(不思議な子だなー…
いいなーなんて凄く、思わなくもないけど
真ちゃんの彼女だし)」



「あ、紅林さや?って言ったら
女子バスケ、女帝の紅林!?」





/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp