第9章 現世編(後編)
「4月から、空座高校に通って下さい。」
「私入学試験受けてないよ。」
「それは心配ありません。ボクの道具でなんとでもしますから。この高校で経過観察して欲しい子が居るんスよ〜。」
「もしかして一護の事?今日会ったよ。一心さんにもね。」
「あれ!?なぁんだ、それなら話は早い。黒崎サンは少々境遇が特殊な子です。今まで虚に食われなかったのは相当運がいい位だ。」
「白々しい…けど、一護に接触出来るのは私も有難いし良いよ。高校制服も着てみたかったの!」
「頼んでおいてなんですけど、有難いってどういう意味スかそれ。」
陽気にケラケラと笑っていた浦原の表情が固まった。ゆうりは生前着ることの出来なかった制服を手に持ち緩みそうになる頬を引き締め、横目に彼を見る。
「私、一護の事知らない筈なのに初めて顔を合わせた時なんだか凄く懐かしい気持ちになったの。海燕さんにちょっと似てるからかな…。それより、制服着てみてもいい?」
「それよりで片付けないで欲しいんですけどねぇ…もちろん構いませんよ。着終わったら1番に見せに来て下さいね。」
「えぇ、待っててね。」
制服を片手にゆうりはスーパーで購入したものを片すべくキッチンへ寄った。全てそれぞれの保管場所へ仕舞い早速己の部屋に戻りまだ新品の制服へ腕を通す。なんとなくドキドキしながらスカートを履くと、鏡で己の姿を確認する。高校1年生にしては些か大人び過ぎている気がしなくも無いが誤魔化せなくもない。それよりも気になる事があった。
部屋を出て居間に足を運ぶとそこには浦原に加え猫姿の四楓院も居る。
「どうかな、まだイける?」
「おぉ、似合うでは無いか。」
「全然イケますよん!サイズもピッタリで…」
「それなんだけど、サイズピッタリ過ぎて気持ち悪いよ…。ウエストまでピッタリ…。」
その言葉を聞いた浦原はぴくりと肩を揺らすと嫌な汗を流し、扇子を開き口元を隠したまま視線を横へ流した。そんな彼へ四楓院とゆうりはじとりとした眼差しを向ける。
「…や、やだなぁ!ボクが作った義骸ですよ?分かるに決まってるじゃないですか!」
「喜助、お主まさかゆうりが寝ている間に…。」