第5章 シャーペン
学校の帰り道。
私は、折られたシャーペンを握りしめながらトボトボと歩いていた。
折られたシャーペンはあのシャーペンだった。
あのシャーペンとは、六つ子とお揃いで買ったシャーペンのことである。
とんだ安物だけど、私にとって一番大事なシャーペンだ。
「持って来なければよかった。ぐすっ」
目から涙が溢れ落ちる。
そんなとき…
十「るかだーーーー!!!!何してんのーーーー???? 後、靴の紐ほどけてるよー!!!!」
厄介な十四松が来た。十四松はいろんな意味で鋭いから気をつけないといけない。
「何でもないよ」
笑顔、作れてるかな…
一「……絶対嘘だ。隠してる」
「ひっ!え!?一松いたの?」
気づかなかった…。
一松も、いい意味で鋭いから気をつけないといけない。かもしれない。
十「隠してるのー?? 何をー???」
ヤバイヤバーイヤバヤバーイ…
そう思って私は後退りをした。
すると、その時だった…
ズルッ
ドサッ
十四松に言われていたのに、靴紐を踏んで転んでしまった…。
ただでさえ、傷だらけで汚い足が、すりむき赤くなっていた。
十「だいじょーぶーーー????」
そう、心配をしてくれているけど、私はすぐさま自分の手元を確認した。
しっかり手で握っていたシャーペンが…ない。
すると、
一「…これさぁ、俺らがお揃いで買ったシャーペンだよね…」
一松は私のシャーペンを見つけ、拾い、そう話しかけてきた。
十「あー!!!そうそうーー!!僕も持ってる!!黄色いの!!!」
ついにバレると思った。
一「……………何で壊れてんの?………もしかして…」
ばれたくない…
「何でもないからっ!!返して!」
そう言って、私はシャーペンを奪い取り、すりむいて痛い足を無理に動かし走り去った。
自分のこの行為に罪悪感を感じながら。