• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第114章 安室1※




無理に作ったと分かる笑顔に胸を締め付けられれば、何もしてあげられない自分に少し腹が立ってしまって。

彼女に更に歩み寄り、顎に指を添え顔を上げると、数分前にできなかった触れるだけのキスをした。

「また何かあれば連絡します」
「・・・はい」

今、自分にできるのは・・・彼女の気持ちを利用した、こんな最低なことだけで。

これ以上、ここに居るのは色んな意味で危ないと判断し、足早に部屋を去った。

車に乗り込み、風見との待ち合わせに向かう最中、取り戻した冷静さは段々と後悔へと変化していった。

思い返せば返す程、仕方がないという便利な言い訳ばかりが僕を覆い隠す。

・・・何が守るだ。
彼女の気持ちを弄んでいるも同然だ。

最低以外の・・・何物でもない。

ー

「降谷さん」

例の場所、とある橋の下の河川敷。
風見はその影に身を隠しながら、僕の本当の名前を口にした。

「こちら、例の物です」
「ありがとう、助かる」

彼の隣に立つと、視線も合わせぬまま彼から物を受け取った。

樹脂袋に入ったそれを素早く内ポケットにしまい込むと、スーツのポケットに自身の手を突っ込んだ。

「・・・・・・」

その数秒後、暗闇ではっきりとは確認できないが、彼の顔へと目をやって。

その姿をぼんやり捉えると、ようやくいつもの自分に戻った気がした。

「・・・降谷さん?」

何も言わない僕に戸惑ったのか、彼は少し体勢を崩しながらこちらに顔を向けて。

「なんでもない。それより、来週末は僕がいないから、そのつもりでいてくれ」
「ええ、勿論分かっています」

だろうな。
彼に頼んだものは、まさに来週末に必要なものだから。

ベルツリー急行・・・ミステリートレインと呼ばれる列車に乗る際に、必要な。





/ 1936ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp