第7章 近づく距離
「ここだ」
青峰君が立ち止まった部屋は他の部屋と明らかにドアの間隔が違う。
カードキーをかざして開かれたドアの向こうには広々としたリビングルームが広がっていた。
ホントに
来ちゃった
半分勢いで行くなんて言ったけど本当にあたし大丈夫なの?
絶対青峰君のこと好きになりすぎて自分が苦しくなるだけなのに…
今でさえ恋愛対象じゃないって分かってて悲しいっていうのにこれ以上好きになってどうするんだろ
けど、引き返せないし引き返したくない
だってこんな時間二度とないから
だから今はこの時間を目一杯楽しんで思い出を作るの
こんな素敵な場所に来てうじうじしてるなんて時間が勿体ない。
だからこの非日常を謳歌するの。
とは言うものの……
このお部屋、広すぎる‼
4つもお部屋がある
大きなダイニングのある広々としたリビングルームに2つのベッドルームにキングサイズのベッドがそれぞれ2つ
ブルックリンブリッジが見える部屋とフィフスアベニュー全体が見えるお部屋。
それからもう一つは少しだけ小さめの、お仕度とかをするような部屋で、ソファとドレッサーだけがある。
小さいとは言っても十分広いけど
他にもウォークインクローゼットが2つにバスルームと洗面所
おまけに暖炉もある
なんて部屋なの…
ここに一人で泊まるつもりだったなんて
お部屋探索も終わって、荷物も届けてもらったし
外出はできないし
取り敢えず……
「テレビつけてもいい?」
「好きに使え」
会話がなくて付けたかったんじゃなくて、今まで見たこともない程の大型テレビだったからつけてみたかった。
大きすぎのテレビに電源を入れてパチパチとチャンネルを変えると、ちょうどこの間のコレクションが放送されていた。
「あ……これ、あたしのやったやつだ…」