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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


午前中の撮影をやっと終えて部屋に戻ると、みさきは疲れたのか寝ちまった。

ドアの前にはセキュリティがいるからもうジェシカは来ねぇし、俺も少し寝ようかと目を閉じると部屋がノックされた。

ノックしたのはセキュリティだろうけど一応スコープを覗くとハンナだった。


ドアからはみさきの姿は見えねぇし、セキュリティがいても来るってことはなんか用事があるんだと思ってドアを開けた。

『休憩中ごめんなさいね。あなたのエージェントが見つからなくて…一応日没の時間を言っておこうと思って』

『6:50だろ?みさきがもう調べた』

『えぇ。ならよかったわ。ジェシカの事だから嘘の時間を伝えてメイクが間に合わないってみさきを外すような気がしたから調ベていてくれて助かったわ』

にっこりと笑ってあたりを警戒しながらも小声で色々教えてくれるハンナは味方と見てよさそうだ

『そうか。ありがとな』

『いいのよ。じゃあまた後で』


ハンナは本当に仕事の事だけ話して戻って行った。

ジェシカに代わって現場のスタッフをまとめたり連絡係やったりハンナはハンナで大変なんだろうな…


内情を知ってるからこそ奔走せざるを得ないハンナに若干の同情を覚えた。


結局俺は寝れなくて、アラームで目を覚ましたみさきが夕方の撮影のためにメイクを始めてもらった。
みさきとはハグもするし頬も合わせるけどこんな風に触れられたことはなかった。

鍛えてるのを分かって褒めてくれたけど、妙に照れくさくて俺から話題を逸らすために青峰の名前を出すと耳まで真っ赤になった。

日焼けのせいとか言ってるけど、日陰にいて日焼け止め塗りたくってたんだからそんなに焼けてねぇ。
ごまかすのも下手すぎだし顔にも出すぎでほんと笑っちまう。


「もー…笑うのやめてよね」

「悪りぃ悪りぃ」

「ほら、髪やるんだからちゃんと前向いて」


ちょっと怒った感じに言ってるけど照れ隠しだって分かってるからマジで可愛い。

それでも目だけは真剣で、ちょいちょいと俺の髪をいじって仕上げてくれた。

「うん……今日はかっこいい感じになったよ」

「そりゃよかった」

みさきにかっこいいなんて言われたのは今日が初めてで、この仕事を受けて唯一よかったと思えた瞬間だった。
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