第7章 近づく距離
スマホの充電が切れちまってたのはラッキーだった
黒須のスマホと俺のスマホが同じだってのは分かってたけど、一応確認して充電器を貸すって作戦は成功で黒須を正当な理由で引き止められたり
「ちょっと充電して写真撮ったら帰るから…ごめんね」
切れてしばらく経ってたせいか中々電源が入らねぇスマホを何度も押して申し訳なさそうに眉を下げてる。
さっさと帰ってほしきゃ充電器借りるって聞いた時点で帰らせてたっつーの。
つか、好きでもねぇならそもそもNYに迎えに来ねぇ。
ほっとけっつったらやっとスマホを離してくれたけどすっげぇ眠そうで、夜景を見てんだろうけどこっくりこっくり頭を揺らして何度も伸びたり目を抑えたりしてる。
そんなに眠いなら横になりゃいいのに、警戒してるのかベッドに行くのを拒むからしょうがなく腕を引き上げた
「やっ…」
うるんでトロンとしたデカい目といつもより甘くて小さい声
なんでそんな顔してそんな声出すんだよ…
好きな女とホテルにいて必死で理性をつなぎとめてるんだからマジで勘弁しろ。
これ以上触ってたら本気でヤバイと思って、寝てもいいように近いベッドに座らせて、酒を飲んでたから水分を取らせたくて冷蔵庫から水を出して戻るともう寝てた。
そんな眠いなら無理しなくても寝りゃいいのに
まぁ警戒してたんだろうけどな…
座ったまま倒れるように寝ちまったせいでワンピースが上に上がって、細くて白くて、少しだけ筋肉がついた綺麗な太ももが見えてストッキングが無駄にエロい。
あーもう…勘弁してくれ
考えるな…
何も考えるな、見るな
でもこの太ももに割り入ったら
ヤバい…
こんな状態でそんな事絶対ぇしねぇけど、想像しただけで血液が集まるのを感じて黒須を布団で隠すことにした。
ヒールを脱がせて脚をベッドに乗せようとすると、太ももの内側に5センチくらいの傷の跡がうっすら残ってる。
なんだこれ?
手術か?
さっき聞いたエピペンってのじゃねぇってことは俺にも分かる。
そーいや黒須はスカートも短いの履かねぇしショートパンツも見たことねぇな…
まぁ言うほど服や好みを知ってるわけじゃねぇけど