• テキストサイズ

幸福のレシピを貴方に。(食戟のソーマ)

第3章 一章


3人が部室のある校舎から離れていくのを窓から見守る。
一度田所さんがこちらに気づいて一礼するので軽く手を振って応える。
そうして誰も校舎にいなくなった事を確認して作業に入る。
夜の帳に彩られた空と妖しく吹き荒ぶ風を遮るように窓とカーテンを閉める。
此の丼研部部室『毎日節電週間』と称して蛍光灯の仕様を制限してる。早い話、四月の上旬の暗い夜、切れかけて点滅した蛍光灯の明かりがが2、3個あるだけの部室は酷く薄暗い。
カーテンを開けた外の方が街灯がある為まだ明るい。調理器具はまあまあそろっている。が、残って作業をする時間を考えれば、寮で行った方が幾らか時間は取れるだろう。必要な調理器具も一通り揃ってるだろうし。ここでやる必要はない。

「さて、早く終わらせて帰るか」

ネジが緩んできて座り心地が悪い椅子。汚れが落ちなくなったホワイトボードや凹んだロッカー。塗装の剥げた壁。
そして何より、掃除しないで放置して壊れた部室の空調。

「うーん、対して汚れてるようには見えないなぁ。とりあえず、バラして見てみるか。」

着々と作業を進めていく。

暗い部室の窓を風がガタガタとけたたましい音を立てて揺らす。
音に共鳴するように明かりがチカチカと点滅して。



やがて、明かりがフツリ、と切れる。

それを気にする様子もなく作業に没頭する。
静かに扉が開く。
「小西くん?もう食材買ってきたの?悪いけど冷蔵庫もメンテナンスするから使えないよ。今日のところはもう帰って、あと、寒いから扉閉めといて」

顔を上げる事なく話す。沈黙が続き、返事は返ってこない。

扉が再び閉まる。どうやら出て行ったらしい。

「えーとっ、ココがこうなって、この回路がココにつながって・・・・あ!?コード切れかかってる。しょーがないなぁ!?えーとっペンチは・・・」

工具箱の中をガサゴソと漁るが中々見つからない。

「えーとっ・・・あ、あった!」
ようやく目当てのモノを取り出す。暗い部屋鈍く光るペンチの表面は、今、こちらに斬りかかろうとする凶刃を映していた。

・・・・

・・・・・

「そういえば、例の噂知ってるか?」「は?噂?」
「ああ、がせネタだろうが、物騒な噂。最近ここいらに通り魔が出てるって噂」



/ 180ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp