第35章 覚悟
その後私達は、紅茶を飲みながら少し話をした。私は今回の調査で分かったこと、自分で気付いたことなどを報告し、兵長はそれを普段通りの表情で静かに聞いてくれた。
報告している内に話に夢中になってしまっていたのだが、そのおかげか気がついた時には私は兵長の顔を正面から見られるようになっていたのだった。
「…そうか。コニーの母親に似ていたか」
ラガコ村で見た手足が枯れ枝のように細い巨人のスケッチと、模写させてもらったコニーのご両親の肖像画を比較していた時、まるでため息を吐くように兵長が言った。
「巨人の外見は、中にいる奴の容姿に影響されるかもしれない…だったな。こりゃあ…とんでもないことになるかもしれねぇな」
兵長は普段と変わらず無表情だったけれど、その声色は暗く…困惑しているようにも聞こえた。
その声を聞いた時、というのもおかしな話なのだが、私は「見てきたものを描く」という事しか考えていなかった自分にハッと気がついたのだった。
絵に夢中になりすぎて「考える」ということがすっかり抜け落ちてしまっていたが、今回の調査では信じ難いような残酷な事実が多く判明したのだ。