第5章 復活アメジスト【S×M】
マンション前で降ろしてもらって
エントランスに入っていくと
…あれ?
エレベーターから
大野さんが出てくるのが見えた。
どこ行くんだ?
オートロックのドアの前で
ちょいちょいと手を振ると
ギクッとした表情で立ち止まって…
でもすぐに駆け寄ってきて
笑いながらドアを開けてくれた。
「どしたの~?…予定よりだいぶ早いじゃん?」
「そうね…メンバーの誕生日は特別だから…」
「うんうん」
「みんな気を遣ってくれたみたいよ?」
「そか…よかったな♪」
「で、大野さんは?今からどこ行くの?」
「あ、あぁ…ちょっと、ね…買い忘れたものが…」
「それなら俺が行くよ…家主は残ったほうが…」
「大丈夫!チャチャッと行ってきちゃうから」
俺の体を引っ張りこんで
入れ替わるように自分はドアの外に出た。
「部屋…1207ね!」
「…う、うん…」
「ケーキ落とすなよ!気合い入れろ!
笑顔でな!部屋、綺麗に使えよ!
いい加減…素直になりやがれ!
それから…それから………じゃあなっ(≧∇≦)/」
「あ、ちょっと…っ!」
人差し指でビシッと俺を射抜いたあと
大野さんは身を翻して
ダーッと走って行ってしまった。
なんなんだよ…
くっそ支離滅裂じゃん…(◎-◎;)
……ん?
遠くなるその背中には
大きく膨らんだNorthのリュック…
忘れ物を買いに出るにしちゃ
大きすぎや…しないか……?
「……………」
今までのいろんなことを考えながら
エレベーターで12階に上がった。
俺の予想が正しければ…
ピンポーン…
『…あれ…下、入れたの?…いま開けるわ』
インターホンから聞こえるのは
翔くんの声…
ほどなくしてドアが開いて…
愛しい人が眩しそうな笑顔で
俺を出迎えてくれた。
付き合ってた…頃みたいに。