第1章 1
私たちは更衣室で着替え、外に出ると既に快斗たちが待っていた。ここの施設は特殊で、入館の前に着替えるようになっているため、これからチケットを見せて入館する。
「おまたせー、はい、白馬くんチケット」
「ありがとう」
「……」
今回はカップルチケットなので、1枚で2人入れるのだが、探がチケットを1枚持ち、中森さんがチケットを1枚持っている。どう考えても快斗のペアは中森さんになる。計算なのだろうか。
まぁ、本当のカップルでもあるまいし、そんな小さなこと気にしなくてもいいか……
「行こっか」
私が声をかけると4人とも歩き出した。そして私と探が先に受付にチケットを見せる。すると受付のお姉さんはニコッと笑いながらいった。
「ありがとうございます。ではカップルのおふたりはキスをしてください」
その言葉に4人とも驚く。だがカップルとして受付に入った手前、今更違いますとも言えない。探を見ると私を見てニコッと笑った。
そして
ちゅっ
探は当然のようにほっぺにキスをする。
「これでいいですか?」
探の満面の笑みを見て、お姉さんは「いいですよー」と言ってカップルブレスレットというものを私たちに渡すと通してくれた。
カップルチケットで入ったカップルは、カップルブレスレットといって、同じ色、同じ番号のブレスレットを付ける。私たちのは黒の1番。
こんな制度があるなら普通にチケット買えばよかった
そしてゲートを通り、後ろを振り返ると快斗が面倒くさそうに中森さんのほっぺにキスをしているのが見えた。
「…………」
快斗にキスをされ、中森さんの顔が赤くなっている。
なにあれ
心の中が冷たくなるような感覚を覚えながら私は探の腕をとって歩き出した。
「行こっ、2人もすぐ追いついてくるでしょ」
「そうだね」
私たちは空いているウォータースライダーに到着。すぐに順番が来ると、係の人が私たちのブレスレットを見て、一人一人滑ってる所を2人通してくれた。
「カップルの方はおふたりくっついて滑っていいですよー」
そう言われながら、私たちは顔を見合わせる。
「滑ろっか」
特に抵抗もなく、私が前、探るが後ろで私を抱きしめるような状態になって滑り出した。