第5章 ※三角形 case3※
仕事をするのは諦めても、リエーフと食事に行くと決めた訳じゃない。
会社の前で待たれていたけど、無視をする事にして家路を歩いた。
でも、そんなのリエーフに通用する訳がない。
当たり前のように、私の横に並んで。
「なぁ、ドコ行きたい?」
然り気無く手を繋ごうとしながら、話し掛けてきた。
近付いた手を避けて、無視を貫く。
「そういえば、この前、美味いお好み焼き屋見付けたんだ。そこ、行かないか?」
それでも、諦めずに私の横を歩いて話を続けてきた。
このままだと、行かなきゃ家まで着いてくるんじゃないかな。
家バレは困る。
アポなし訪問とか、してきそうだもの。
長い溜め息を吐いて立ち止まる。
家バレしたくないから、仕方無く付き合うんだ。
別に、またリエーフと何かをしたい訳じゃない。
自分を納得させる為の言い訳を頭の中で唱えた。
「…そこで、良いよ。お好み焼き、嫌いじゃないし。」
「えー!?だったら、さくらが好きなもん食べに行こ!そっちのが、いいだろ?」
「どちらかと言えば、好きな方だから大丈夫。」
極力、顔は見ないようにして会話を成立させる。
ただでさえ、目立つリエーフと外で言い合いなんかしたくないから、早く行こうと急かして店に向かった。