第86章 紡ぎ
問題と言っていられる状態じゃない
火急を要すると言っても足りないぐらいに逼迫している
そう言いたいのだと、痛感した
と同時に…僕が言った言葉の軽率さに血の気が引いた
フィン「さああっ!)済まない;現状と照らし合わせるべきだった」
ケイト「ううん…
私も…細かくは、言っては、無かった、から」
壊れ掛けたこの世の痛み故か
今にも泣き出しそうな声で…顔で…目も合わさずに、俯いたまま言い放たれた
フィン「言い過ぎた…
本当に、済まない←お辞儀
全てを消さなければならないだなんて机上の空論もいい所だ
最悪な事態にも程がある」
ケイト「でも…無い訳じゃないよ」
フィン「え?」
ケイト「……」
アイズ「癌の世界
……合ってる?」
ケイト「…」こっくり
項垂れたまま…肩を落とし落ち込んだまま大きく頷かれた
アイズ「ここが…そうだったはず…
もし、仮にだけど…ケイトが生まれていなかったら…
きっと……」
ケイト「ああ…
お前の想像通り…
全部消さなければならない事態に突入してた…
それぐらい…癌の洗脳は、著しさ…支障、異常を来たすから」
『…………』
沈黙が訪れる…
長い沈黙が……
木の葉のざわめきを際立てていた
フィン「……この世だけでなく…全てに、か」
アイズ「ケイトが居るから…4倍になる
霊体が2倍、魂が2倍、魂と霊体は互いに浄化し合っていて、実在化に置いては相乗関係にあるから…総合して4倍に…
この世だけに、癌による影響を抑え込んでくれているから……この世だけで、済んでいるんだと思う」
フィン「その為に、この世を消す、か…
癌の歪み、闇を、こびりついた汚れを…
いや、それは既に綺麗になっている…か
問題なのは……この世に住まう人間か」腕組
ケイト「だから…最初っからそう言ってるじゃん」
もう今にも泣きそうな声色で、震えた声で、肩を震わせながら言われた
『瞠目)!!』ぎょっ!!
フィン「済まない!本当に済まない!
嫌なことを思い出させてしまった
トラウマになっているだろうに、本当にごめん!」
真っ青になって震えが止まらない、涙を浮かべたまま硬直するケイトに
頭を下げて、必死に背や肩を撫で回した
アイズ「元気、出して?」おろおろ
2人で抱き締めて、宥めて…ようやく落ち着いてくれた