第66章 穢れ
絶望した。人類全てを憎んだ。それでも理不尽や仕返しを決して与えず、人としての誇りを失わずに戦い抜いた。
我らは同志で、家族だ。
私は…一人として取り残すつもりはない。特定集団だけを幸せにする為だけに他を泣き寝入りさせる未来など要らない!決してさせない。
間違うこともあるだろう。その時は止めてくれ。家族の言葉ならば必ず聞く。
それでもいい奴は付いてこい!」』
そう伝えた後…国民の皆から怒涛の如く拍手と歓声が響き渡った。
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!』拳を振り上げる
皆からのそれは喜びからの雄叫びがほとんどで、ありがとおおおという感謝の叫びもあったが、それに掻き消されていた。
『話さないと伝わらない。
誰もが傷や事情を抱えている、視野も見方も価値も違うから気付かないこともある、寛容に接することが大事。
私の場合、荒事を大事にしたくないのは、相手につくだろう負担や傷を大きくしたくないから。遺恨を残しかねないから。
でも同じ感性を持っている人しか、ここにはいない。
しっかりと見極めないと』
最後までそう考えるケイトに、僕は微笑むばかりだった。
「痛みを…心を救おうとは思っていない。
それは…再会した時の言動からわかる。
一番大事なものがなんなのか、わかってない!!見えていない!
傷に寄り添いもしない!!
私には…私にはっ……
そんな感覚!(涙目&震)
受け入れられないっっ!!(涙)
そりゃ相手の気持ちもあるから、望まなければ自己満足になるから、踏み出すか悩むとこだけど…
何で…したことに罪悪感も負い目も抱かずに、力を貸して欲しいだなんて言えるんだよ!!!」
そう意味も解らずに、感じるままに泣き叫んでいた頃とは違って、今ではちゃんと重みを理解している。
その意味を噛み締めて、その上で進む道を、自らが進みたい方向を見据えた。
己という個と向き合い、感じるそれと向き合い、自己理解に努め、意見や考えの整合化に成功した。
ケイトは…本当に成長した。
その為に必要なことだったのだと思う。論じることも、向き合うことも、どう在っても救えない経験を味わうことも…
彼を悪だと断じたこと、断じれたことは意外だったけれど…
成長を、その早さを、真っ直ぐさを、人として誇りに思った。