<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第249章 第249章 愛と言うなら ― 姫&官兵衛 ―
「おまえはどう思っている?」
夕暮れを思わせる黄色の瞳は私の心を見透かすようにじっとみつめる。
「おまえは俺に心を寄せているのだろう?」
それはそうかもしれない、だけどそれを認めるのが怖い。
だって私は信長様たちのいる安土へ戻りたいから、官兵衛さんへの好意を確信してしまうと戻れなくなってしまう。
官兵衛さんは細く骨ばった指を私のあごへかけ、私の顔を上へ向かせた。
「おまえの考えはわかりやすいよ。おまえは確実に俺へ好意をもっているだろう?」
官兵衛さんの顔が近付き、あ、と思った時にはくちびるに柔らかい感触がおちた。
その温かい感触はすぐ離れたけれど、官兵衛さんの顔は近付いたまままっすぐ私を覗きこんでいる。
「はっきり言おうか。おまえの心には俺がいるのだ、と」
官兵衛さんは笑みを浮かべたまま私の心へ踏みこんでくる。
またくちびるに同じ柔らかい感触が先程より長く、そして私のくちびるをこじあけて私の舌に自分の舌を絡ませてきた。
「…ん…っ…」
声にならない声をあげるけれど、その声すら自分のものにするんだ、と言わんばかりに全てを我が物にせんとばかりの、だけど、あくまで甘く私をとろかすようなくちづけをしてくる官兵衛さんに、私は足のちからを失ってすがるように全身を預けてしまう。
ようやくくちびるを離した官兵衛さんは、軽く自分のくちびるを舐めて小さく笑う。
「いいね、この感じ。今ので俺に欲情してしまったかな」
「っ…よくじょ…違いますっ!」