<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第222章 Too Much Happiness ― 姫&光秀 ―
花菱模様の入った白い打ち掛けを前に、私は少しだけ戸惑っていた。
「あの…これ…」
隣に立つ光秀さんは、私の態度に少し驚いたような表情をする。
「なんだ、これでは不服か。ああ、舞は自分で作りたかったのか」
「あの…これ…」
同じ言葉しか出てこない。
だって目の前の衣桁に掛けられた着物は、どうみたって花嫁衣装なんだもの。
光秀さんは平然として私にそれを見せてきて、私は何て言っていいのかわからない。
おまけに『自分で作りたかったのか』ってそう言われてしまうと、この着物を着る人が誰なのか…言われなくても私のものだと気付かされてしまう。
「私にこれを…」
光秀さんは衣桁へ近寄ると打ち掛けを外し、私の肩へその打ち掛けを掛ける。
「…似合うぞ」
「これは…私用なのですか…?」
改めて聞き直すけれど、声がなぜか震えてしまう。
光秀さんはきょとんとしながら、私を見下して震える声で聞いた私の肩を抱き寄せた。
「おまえ以外に誰がこれを着るんだ?むしろそれなら、俺が教えてもらいものだが」