<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第132章 きみに夢中 ― 信玄&姫 ―
きみに夢中なんだ。
「なっ、何を言ってるんですか、信玄様、冗談が過ぎます」
舞は顔を赤くして、俺の本気を冗談めかしてしまう。
「いやぁ、本気なんだけど、どう言ったら信じてくれるのかな?」
俺は舞に近付き、赤くしてしどろもどろしているその顔の顎にてのひらを這わせた。
「っつ、信玄様…」
俺に顎を撫でられた舞は、戸惑いの声を上げながらも、からだをぞくりと震わせたのを俺は見逃さなかった。
きみの心は一筋縄ではいかないけれど、からだは正直みたいだな。
俺は片手で舞の腰を引き寄せる。
「捕まえた、舞。大人しく俺を夢中にさせなさい」
俺が甘い声で囁くけれど、なかなか舞は首を縦にしない。
「ん…だめです、信玄様。私じゃなくて、信玄様にふさわしい方をお相手にしてください…」
全く、なかなか、強情な天女だな。
「俺は本気だと言ってるだろう?全く舞はこれだけ俺がきみを求めているのに、あくまで冗談と言い張るんだな」
俺は参った、と言った体で両肩をすくめる。
舞は俺の様子を見て、焦ったように言い訳する。