<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第95章 わがままだけど好き ― 姫&秀吉 ―
秀吉さんには恥ずかしいけれど、正直に言おう。
「うん?」
秀吉さんの優しい笑顔が私の顔を覗き込む。
「秀吉さんが町の人達から声を掛けられているのを見て、秀吉さんが慕われているんだなって誇らしく思えるんだけど、同時に、秀吉さんが私一人のものじゃないんだって、遠い人に思えてしまったの」
私の発言を聞くと、秀吉さんはぽんと私の頭をごく軽く叩き、少し呆れたような表情で私を見た。
「全く舞は独占欲が強いんだな」
恥ずかしいけれど、そうだと思う、と私はしゅんとしてうつむいてしまった。
けれど、その後の秀吉さんの言葉で私は嬉しくなってしまう。
「だけど、舞は俺のもの、俺は舞のもの、だと、俺は思っているけれどな。
町の人と接するのは俺は立場上重要な事だから、これはわかってもらわねぇとならない。
でもそれ以外の時、特に褥ではお互いがお互いだけのものじゃないか?」
「う…うん、だから、私のわがままだって言ったでしょう…」
「舞のわがままは可愛いもんだな。俺は嬉しいけれど、な」
「秀吉さん…っ」
秀吉さんは本当に優しくて、私を心から甘やかしてくれる。
私はそっとおまんじゅうを口に運ぶ秀吉さんに耳打ちした。
「本当に、大好きだよ、秀吉さん」
秀吉さんは私の内緒話しに、おまんじゅうを落としそうになる。