第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
え!?もう来たの!?
『早かったね!
ご飯作ってるから
上がって待ってて?』
髪は湿ってて
息は上がってる
まさかだけど
走ってきた?
『お風呂入ったのに
汗かいちゃ意味ないじゃん』
クスリと笑うと
「早く布施に
会いたくて…」
途切れる息をそのままに
影山くんが
まっすぐ私を見つめる
『も、もう…照れるから
飲み物用意するから
とりあえずリビングに…』
まっすぐな視線に
キュッと痛くなる胸
情けない顔を見られない様に
前を歩き
リビングに入った途端
「布施…!」
影山くんの体温が背中に広がった
ドクン、と高鳴る心臓
『ご飯…まだ作りかけで…』
「分かってる。
少しだけ、だから…」
どこか苦しそうな声が
「布施…」
私を抱き締める
腕の震えが
私の心に波を立てていく
「布施、隠し事ってなんだ?」
『え?』
「さっき、言ってた。
聞かせてくれるか?
このまま、聞きたい」